2014年から始まった少額投資非課税制度、通称NISA制度は2024年に改正されます。
通常は、株式の売買で得られる利益は20.315%の税金が課されるところですが、これが非課税とされる制度です。
この制度を活用すると、例えば、10万円の利益がある場合は、通常化される約2万円の所得税を納める必要がなくなります。
とても大きなメリットがある制度ですが、2024年に改正される予定です。
今回は、その内容をまとめたので紹介します。

(1)現行NISA制度の概要は?

新NISAの前に、そもそも現在のNISAってどういう制度なの?
いわゆる一般NISAと言われる制度は、年間で120万円までの投資額が非課税扱いになる制度です。
売買時の差、つまり利益に対して課税されるはずですが、これが非課税となります。
また、NISA枠で購入した金融商品から得る配当金についても、非課税扱いとなります。
制度の詳細について、金融庁のHPでは以下のように記されています。
利用できる方
→日本にお住まいの20歳以上の方(*1)(口座を開設する年の1月1日現在)
非課税対象
→株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益
口座開設可能数
→1人1口座(*2)
→新規投資額で毎年120万円が上限(*3)(非課税投資枠は最大600万円)
→最長5年間(*4)
→2014年~2023年
*1 …0歳~19歳の方は、ジュニアNISA口座をご利用いただけます。詳しくはジュニアNISAページをご覧ください。
*2 …NISA口座を開設する金融機関は1年単位で変更可能です。ただし、開設済みのNISA口座で既に株式・投資信託等を購入している場合、その年は他の金融機関に変更することはできません。
*3 …2015年以前分は100万円。未使用分があっても翌年以降への繰り越しはできません。
(金融庁HPより引用)
この制度は、購入時かから、5年間有効となるため、5年間の間であれば、配当金は非課税扱いとなります。
つまり、毎年、10,000円の配当金があれば、通常約2,000円程度課税されて、8,000円が支払われるところ、10,000円丸々が収益となります。
なお、金融機関への手数料は非課税とはなりませんので、注意が必要です。
さらに、一人で、年間120万円の枠しか認められていないため、何度も売買するとNISA枠がなくなってしまいます。
つまり、短期のトレードよりも、長期間で資産を形成したいという人に向いてる制度と言えます。
そのため、平成30年からより長期投資に向ているつみたてNISAがスタートしました。
利用できる方
→日本にお住まいの20歳以上の方(※1)(口座を開設する年の1月1日現在)
ただし、つみたてNISAと一般NISAはどちらか一方を選択して利用可能
非課税対象
口座開設可能数
→1人1口座(※2)
→新規投資額で毎年40万円が上限(※3)(非課税投資枠は20年間で最大800万円)
→最長20年間
→2018年~2037年
投資対象商品
*1 …0歳~19歳の方は、ジュニアNISA口座をご利用いただけます。詳しくはジュニアNISAページをご覧ください。
*2 …NISA口座を開設する金融機関は1年単位で変更可能です。また、NISA口座内で、つみたてNISAと一般NISAを1年単位で変更することも可能です。ただし、つみたてNISAですでに投資信託を購入している場合、その年は他の金融機関又は一般NISAに変更することはできません。
*3 …未使用分があっても翌年以降への繰り越しはできません。
(金融庁HPより引用)
つみたてNISAはと一般NISAはいずれか一方しか利用できません。
1年間で40万円、最長20年間のNISA枠が与えられるため、最大800万円が非課税となります。
長期的に見れば、一般NISAの600万円の枠よりも多いですが、1年に限って見れば、一般NISAの方が非課税枠は大きいです。
長い期間かけて資産を形成したい人に向いています。
一方、一般NISAでは、100万円単位の金融商品も購入可能です。自己の投資スタンスによってどちらのNISA制度を使うかを判断するとよいでしょう。
なお、1年単位で、一般NISAかつみたてNISAか変更可能です。
(2)新NISA制度の改正点は?

現在のNISA制度はわかったけど、一体どういう風に改正されるの?
現在の一般NISAの内容は2024年に大幅に改正されます。
新NISAは、既存のつみたてNISAの制度に変更はありませんが、一般NISA制度に変更があります。
新NISA制度は、積立投資用の1階部分と購入方法に制限のない2階部分に分かれています。
これまでの一般NISAと積立NISAのハイブリッドと言えます!
まずは、以下をご覧ください。

非課税期間には変更なく5年間のままです。非課税となる投資額の上限は120万円から122万円に増えています。
ただし、自由に使える旧一般NISA枠に、相当する部分は102万円に減り、その代わりに20万円の積立NISA枠が追加されています。
つまり、旧一般NISA枠102万円+積立NISA枠20万円=122万円となります。
追加された積立NISA枠は、基本的に従来の積立NISA枠と同じようです。そのため、株の購入ではなく、投資信託など投資の対象も限定的となりそうです。
旧一般NISA枠は「成長資金の供給拡大と長期保有の株主育成」が目的で、積立NISA枠は「安定的な資産形成」が目的であるため、それぞれの趣旨に沿った投資方法、投資対象が設定されているようです。
(3)新NISAと積立NISAのどちらがよいか?

新NISAについてもわかったけど、新NISAと積立NISAのどっちの口座を開設したらいいの?
これは、どちらがよいというこではなく、個人の投資スタイルによって異なるかと思います
また、毎月の資金力やリスク許容度にもよって異なるかと思います。
ある程度余裕資金があり、株価が安い時に、一気に買い込みたいという方には、新NISAがよいでしょう。
毎月、安定的な給与収入等があり、そこから毎月一定額を定期的に運用に回したい方は積立NISAが向いているでしょう。
自分の資産状況からしてどちらの制度を使うか検討するのが良いでしょう。
(4)オススメの口座開設金融機関は?

NISA制度についてはわかったけど、どこの証券会社で口座を開設したらいいの?
NISA口座は、1人につき1つの金融機関しか開設することができません。
ただし、1年に1度、NISA口座の金融機関を変更することができます。
とは言え、何度も口座変更の手続きをするのは面倒です。
迷っている方は、普段の株式売買でも使い勝手が良い大手ネット証券のいずれかを選ぶのがよいと思います。
私の場合は、SBI証券で一般NISA口座を開設しています。
SBI証券は、売買手数料が無料で、取扱銘柄が大手ネット証券中最多級です。また、米国株式の取り扱いもあります。
また、年間のIPOの本数も多く、S株と呼ばれるミニ株の取り扱いもあります。NISA口座の開設がなくても、開設しておいて損はないかと思います。
もちろん、口座開設手数料や維持費はかかりません。
なお、私は利用していませんが、積立NISA口座を開設するとしても、SBI証券がよいと思っています。
というのも、取扱投資信託本数が、大手最多級であり、口座開設者数がナンバー1の実績もあります。
開設はコチラからできます。
なお、楽天に会員登録をしている方は、楽天証券もお勧めです。
購入する際に、楽天ポイントがもらえるので、楽天ユーザーと親和性が高いと言えます。
私も、SBI証券と楽天証券を利用しており、用途によって使い分けています。
開設はコチラから